『夢の肉弾三勇士』<流山児★事務所>

 流山児祥氏といえば、アングラは生き様であり、死に様であり、遊び様であるとして30年以上もそれを貫き通しているアングラ馬鹿です。
 この、テロルのオペレッタ「夢の肉弾三勇士」は、流山児祥氏が33年前に4部作として書き下ろし、叫んで暴れるアジテーション演劇に、歌って踊って恋をするオペレッタの要素を加えて、当時大ヒットした名作です。
 その名作が、今回は月蝕歌劇団の高取英氏の脚本、少年王者館の天野天街氏の演出という移植のタッグでよみがえりました。
 
 この「夢の肉弾三勇士」は1970年の安保闘争や、連合赤軍事件に象徴される全共闘運動盛んな時代状況の中で、当時、演劇団を主宰する流山児とその仲間達が上演した叫びまくり、暴れまくる“アジテーション演劇”であり、“シュール”で正に「テロルのオペレッタ」でした。
 流山児氏は当時24歳で、「革命の演劇」を叫んでいた馬鹿な自分であったと言っておられますが、それはまぎれもなく氏の演劇的原点であり、そのリメイクは「新しく同じであり続ける」為のものだと述べておられます。

 舞台を観て感じたのは、この戯曲のもつ不変的なエネルギーでした。
 役者陣は、流山児氏と2,3人以外は皆2〜30代と若く、劇中出てくる政治用語や時代背景には、何の実感もない人達ばかりでしょうが、ひとたびこの劇世界の住人として演ずると、誰もがたちどころに戯曲の持つパワーを得て輝くことができる。
 そんな感じでした。

 今回、構成・演出を担当した少年王者館の天野天街氏は、“アングラはただのコトバであり、総ての価値感をコッパミジンにする「演劇の力」がソコにあれば良い”と述べておられますが、このリメイク版「夢の肉弾三勇士」は正に、そんな舞台でした。

2005年3月21日観劇

<流山児★事務所『夢の肉弾三勇士』>
公演日時:2005年3月15日〜29日 Space早稲田 にて
原  作:流山児祥
演  出:天野天街(少年王者館)

○次回予告○
「戦場のピクニック・コンダクタ」
2005年6月3日(木)〜12日(日) 本多劇場 にて

 

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