『インテル入ってない』<ヨーロッパ企画>

だらだらと続くおバカな感じとストーリー展開がすごくオモシロカッタです。しかし、このダラダラ感は決して散漫な舞台ということではありません。
 ロボットの下請け工場で働く工員達の愚直な日常とささやかな向上心を、よく計算された演出で表現し得たところのダラダラ感なのです。
 作・演出は上田誠氏、若干24才。同志社大学の仲間で始めたヨーロッパ企画の公演は、今回で16回目6年目になるそうです。

 上田氏曰く、今回は金属と油のにおいのする工場の話をやりたかったそうで、劇中の工場は大手ロボット会社の下請けでロボットの部品を製造しているのです。この工場は、故人となった先代社長の努力で画期的な自動販売機ロボット本体を発明したという輝かしい過去があったのですが、そのロボットの製造中止と共に、今は見る影もありません。
 工員達は大手ロボット会社の人間を抑圧する様な大企業の論理に反発を感じがながらもおバカっぽく、ユルユルと生産ラインを改善しちゃったりしながら受注を愚直にこなしていくのです。

 そして物語は一転、生産ライン自体の総ロボット化によって工員全員の失職の危機迫るという事態に到るのですが、その期に及んでも既にそのシステムが完成しているにも関わらず、工員達が“俺達はそんな自分達の首をしめるものは作らねえぞ”と皆で息巻いているおバカさん模様は大いに笑えます。
 そんなおバカさん達も、自分達が生き残る為に最新型ロボットを完成させて、大企業に対抗していこうということになるのです。
 そして、ここで初めて明かされる真実の数々も、サービス精神たっぷりで大いに笑えたし、楽しめました。

 何だか、お芝居の終盤に向かって、例えば『私達は自分達がコレだと思う自動車を、社会に提案していきたいと考えています。―ミツオカ自動車』というスローガンをもとに、中小自動車会社がトヨタ、ニッサンを尻目に頑張っていくプロジェクトXみたいな、そのオトボケ、オマヌケ版を観ている感じも少しあって、私大変楽しい2時間を過ごすことができました。

 役者の皆さんもチームワーク良く、お芝居に関わる総ての要素が過不足ないトーンで統一されており、大変好ましい印象を受けたのでした。
 ヨーロッパ企画、また観たいです。
 観てない人、オススメです。

2004年9月4日(土)観劇

<ヨーロッパ企画>
公演日時:2004年9月1日〜9月6日 下北沢駅前劇場にて
作・演出:上田誠

○次回予告○
第17回公演「タイトル未定(新作)」
2005年2月  東京・大阪・京都
Lマガジン・パグマガ・SCLAPに連載中
来年夏公演予定「サマータイムマシン・ブルース」

 

 

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