『青天井』 <TEAM-090>

今回、TEAM-090の作・演出をしている藤野氏から、トレーダーを主人公にした090的リスクマネージメントコメディをやるという案内を受けました。
 ドラマでもお芝居でも、株でしのぎを削り大きく儲けたりするトレーダーという職業を扱ったものはなかなかないし、おもしろいところに目をつけたなと思ったのでした。
 TEAM-090については、去年も銀座小劇場で「プレミア」という質屋が舞台のお芝居を観ておもしろかったので、ホームページに載せさせてもらってます。

 さて、この「青天井」ですが前回同様、娯楽作品としてよくまとまっていました。
 過去に大きな相場で敗れたことに負い目を持つ伝説の若きトレーダーと、その妻。妻の亡き父親は主人公の株の師匠だったが、妻は父や夫が魅入られている株の世界を憎んでいる。億ションに住み、物質的には何不自由ないのだが、すれ違いの生活が続くうちに夫婦の仲は危機を迎えつつあった。
 そんな時、妻の誕生日パーティーを行おうと夫婦の部屋に集まってくるマンションの住人や友人等、キャラクター豊かな人々。その中にはこのりっぱな部屋が自分の住居だと恋人に偽る奴もいたりして、それが元でややこしい展開になったりもする。
 そしてパーティーの準備が進められる中で主人公にもたらされるインサイダー情報。
 すべての伏線が最後には一本に収束し、やがて感動のラストとなる。

 ―――と、まあ、正当派のコメディともいうべき体裁をちゃんとととのえているお芝居でした。
 私がTEAM-090を買う理由はまず、登場人物のキャラクターを役者さん達がしっかりと演じていることです。
 第二には、伏線をしっかりと張っていること。まだ巧妙とは言えませんが、あらゆる効果を想定して果敢にチャレンジするその姿勢は大いに買いたいのです。
 そして第三には、人に対するやさしい視点です。

 以上、セオリーにのっとったTEAM-090の芝居づくり―その真摯さには好感が持てます。このセオリーを踏んだ地道な作業の果てに、やがてその枠を飛び出した真のオリジナリティをこの劇団は獲得できるのではないか。そんな期待を抱かせるものがTEAM-090にはあります。

2004年7月16日(金)観劇

<TEAM-090『青天井』>
公演日時:2004年7月14日〜7月18日 下北沢「劇」小劇場にて
作・演出:前田マルシェ

○次回予告○
タイトル未定
2005年3月24日〜4月1日 下北沢「劇」小劇場にて

 

 

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